インド人のビノさんは、奥さんと3人のお子さんと、2017年にここ土佐れいほくエリアに埼玉県から移住。それと同時に山の上でカレー店を始めた。奥さんと二人三脚で店を切り盛りし、外国人の観光客も訪れる人気店になった。将来の夢は、宿泊施設を始めること。
いつも明るいビノさんと美味しいカレーを食べると、思わず笑顔がこぼれる。ぜひ1度、ご賞味あれ!
ビノ) ウチのカレーは、一切、水を使っていない無水カレーです。水分はトマトや玉ねぎなどの野菜から出てきたものです。肉が入っていないベジタリアンに対応した野菜だけのカレーもあります。野菜は自分で作っている物もありますが、それでは足りないので、地元の野菜を買ったり、それと結構、もらうことも多いんです。
この土佐嶺北エリアに遊びきた外国人観光客は、ほとんど来てくれますよ。だって、この辺、食事できる所少ないですから(笑)。お店は山の上にあるので、お客さんは車で来ますが、道の狭い急斜面に車を停めるので結構大変そうです。皆さん、運転には十分、注意してください。実は僕もここに来た当初、子供達を学校に送る途中、山道を車で下っていたら、
道路に落ち葉がいっぱいあって、それでスリップしてしまい、事故を起こしてしまいました。
子供達は無事だったんですけど、車は廃車になってしまいました(笑)。
カレーの仕込みは、夕方5時頃にお店が閉店して、子供達を迎えに行ったり、いろいろ用事を済ませてから、夜に行います。結構、時間がかかるので大変です。それでも美味しいカレーをお客さんに提供したいので、手抜きはしませんよ。
―――外国人のお客さんもたくさん訪れるということですが、英語対応もできるのですか?
ビノ) はい、英語対応できますよ。ただ最近は日常で英語を話すこともないので、英語を話している途中で突然、日本語がでちゃうこともありますけど(笑)。
―――ちなみに奥様とはどこで知り合いになったのですが?
ビノ) 2008年だったと思うのですが、奥さんがインドの北の方に旅行に来ていて、そこで知り合いになりました。当時、私はインドでレストランやバー、ゲストハウスを経営していました。その1年後、結婚して、2010年に最初の子が生まれました。子供は日本で生んだのですが、その時は私はインドに住んでいました。子供が生まれたことをきっかけに私は、日本で住むことになったんですよ。
―――土佐れいほくエリアに来るきっかけは?
ビノ) 土佐れいほくエリアに来たのは、2016年です。一番上の娘が小学校にあがる時に来ました。元々は嫁の実家の埼玉県に住んでいたんですが、いつかは山がある自然溢れる所で暮らしたいと思っていました。それで首都圏で行われた移住イベントに参加して、情報を得て、その後、仕事を1ケ月休んで、3人の子供達と一緒に、宮崎県、熊本県、愛媛県それとこの土佐れいほくエリアを見に来たんです。それでこのお店の物件に連れてきてもらった時、「ここだ!」って思いました。なぜなら自分が長く過ごしたインドのヒマラヤ風景にとっても似ていたんです。すぐに気に入ってしまって、この地域に引っ越してくることにしました。
ビノ) 実はほとんど観光スポットみたいな所には行ってないんですよ。お店が休みの日は、買い出しに行ったり、家やお店周りの草刈をしたり、やることがいろいろありまして。最近では一番下の息子がいろいろ手伝ってくれるので、すごく助かっています。薪ストーブに薪も入れてくれますし(笑)。1つ言えることは、インドだったら、山間の道はほとんど車で行くことはできず、歩いて行くしかないんですが、ここはどこでも舗装してあって、車で行けるので非常に便利ですね。
―――最後になりますが、今後の展望は?
ビノ) お店にもっとお客さんが来るように頑張りたいと思っています。近い将来に宿はやろうと思っていて、今、いろいろ物件を探しています。古い物件でも自分で直せる所は自分で直していきたいと思っています。まぁ、ゆっくり直していきますよ。ただあと、何年頑張れるかなー、年取ったら体も動かなくなるので(笑)。宿ができたらぜひ1度、泊まりに来てください。それと年に二回(5月と10月)、バジャール(マルシェ)を行っています。洋服や食べ物、いろんなお店が出店されます。この山間に100人近い人が集まってすごく盛り上がります。こちらもタイミングが合えば顔出してみてください。